「利益が出ているのに、お金はないんですけど・・・」
経営者の方から、このようなお話を伺うことがあります。
実は、会計上の「利益」と、会社に残る「お金(預金)」は、
必ずしも一致しません。
今回は、その主な理由を、分かりやすくご紹介します。
① 借入金の返済は経費にならない
銀行への返済には、「利息部分」と「元本部分」があります。
経費になるのは利息だけで、元本の返済は経費になりません。
そのため、元本を返済しても利益の計算には影響しませんが、
実際には通帳からお金が出ていきます。
② 減価償却費はお金が出ていかない経費
機械や車などを購入した場合、原則として購入した年に全額を経費に
するのではなく、耐用年数に応じて少しずつ経費にしていきます。これが「減価償却費」です。
減価償却費を計上すると利益は減りますが、その計上時点で新たにお金が出ていくわけではありません。
③ 具体例で見てみましょう
例えば、次のような会社があったとします。
・年間の利益:500万円
・減価償却費:200万円
・借入金の元本返済:400万円
この場合、利益は500万円ですが、減価償却費と借入金の元本返済を考慮すると、資金の増加額は300万円と計算できます。
500万円 + 200万円 - 400万円 = 300万円
※ 説明を簡単にするため、税金や在庫・売掛金の増減、設備投資などは考慮していません。
④ 利益だけでなく、資金繰りも大切!
会社を経営していくうえで、利益を確保することはもちろん大切です。
しかし、借入金の返済や税金の支払い、在庫や売掛金の増減なども考慮して、どれだけのお金を残す必要があるのかを考えることが重要です。
決算書の数字を、これからの経営に役立てていきましょう。
税理士 鍋谷尚志

















